2005年のベスト10 |
谷口 昭弘 |
まずはセミ・クラシック (ポップス・オーケストラ) 5選 (なんとなく順位あり)。アメリカ・クラシック音楽のガイド本を執筆したいと考え、そのとっかかりとして「セミ・クラシック」のディスクを蒐集した中からである。
(01) [Disk] Stephen Foster Melodies. The Capital Symphony Orchestra; Carmen Dragon, conductor (Capitol SP8501, LP)
(02) [Disk] Peace, Love & Pops: Greatest Hits of the '60s &'70s. The Boston Pops Orchestra; Arthur Fiedler, conductor (Deutsch Grammophon 447 891-2)
(03) [Disk]
シンフォニック・フィルム・スペクタキュラー (1) - (3) 竹本泰蔵、沼尻竜典指揮日本フィルハーモニー交響楽団 (キング KICC 414-416、分売)
(04) [Disk] The Gershwins in Hollywood. Hollywood Bowl Orchestra; John Mauceri, conductor. (Philips 434 274-2)
(05) [Disk] The Kostelanetz Touch: Andre Kostelanetz & His Orchestra: 20 Original Mono Recordings, 1937-1946 (ASV Living Era CD AJA 5422)
(01) やはり編曲として面白く聴けたというのが大きな要因。カーメン・ドラゴンの録音は、現在大半が入手困難であり、実に残念である。
(02) 似たようなコンセプトに国内盤の『ボストン・ポップス・ポピュラー・コンサート』(ユニヴァーサル UCCG-9358) があるが、そちらはラグライムやミュージカルのメドレーも多く入っている。このアメリカ盤は最長のアレンジ曲が5分37秒で収録曲も多く、ポップ・ヒットに焦点をおいた構成になっていて楽しい。フィードラー時代はどれも平均的に出来が良いため、あとはリスナーが興味を持つレパートリーのCDに落ち着くのかもしれない。映画音楽しかり、ミュージカルしかり。12月に日本のタワー・レコードからデューク・エリントンと共演した際のライブ録音CDも出たが、ほとんど聴いてないうちに人に貸してしまった。これが2005年のセミクラ・ベストに入るのかどうかは、現在未知数である。
(03) 日本のオーケストラによる映画音楽というとスタジオ・ミュージシャンによるムード音楽系アレンジを想像することが多かった。しかし何も知らずにこれらのCDを購入したところ、オリジナル・スコアを使った本格的な演奏が多く、全体としても手応えのあるコンピレーションだと思う。
(04) マウチェリとハリウッド・ボウル管弦楽団は現在も活動中だがCDリリースはあまり聞かない。まとめて聴いた中ではガーシュインものを集めたこのアルバムが通して聴くという点では楽しかったと思う。
(05) モノラルの古い録音。コステラネッツが米Columbiaにステレオ録音したムード音楽スタイルは好きではない。しかしかつて「ライト・ミュージック」とクラシックが極めて近い関係にあったことを思わせるのがこの録音集だ。N響と共演した時と同じアレンジによる『ショウ・ボート』からの音楽もある。
この他にも、ジョン・ウィリアムズ時代のボストン・ポップスは大量に廉価盤として発売されているので購入した。アンサンブルの粗さはあるが、フィードラー時代にはないスケール感もある。現在のキース・ロックハート指揮のCDは、フィードラー時代にもあったタイトなアンサンブルで聴かせるので好感が持てる。
次はディズニー映画関連を選びたかったが、今年は日本語版の「ウィルト・ディズニー・トレジャーズ」がないため、いま一つ。3つだけではあるが、海外盤も含めて選んでみる。(01) 戦前の「クラシック・ディズニー」中、もっとも映画における音楽の役割が大きいと考えられる作品。『ファンタジア』と同時進行だったからか、映像と音楽のみで持っていこうとする意欲が感じられるが、クライマックス以外はスローな展開に感じられてしまう。それでもフランク・チャーチルやエドワード・プラムらの意気込みは買いたい。
(02) 歴史上実在する人物をキャラクターとしたアニメーション作品で、アラン・メンケンの才能が、スコアの方にも見られるようになってきた作品。カットされたシーンを挿入してのスペシャル版。これから再評価がされる可能性もあるのでは?
(03) サイレント時代の「アリス・コメディー」、そしてキャラクター別の分類が難しい短編など。隙間を埋めるような内容。今年は「シリー・シンフォニー集」第2巻がでるそうなので、そちらの方が楽しみではある。