2006年のベスト10 |
谷口 昭弘 |
2006年は、年末にようやく出版にこぎ着けたディズニー本まで、ずっと「ディズニー、ディズニー」という感じで、これほどまで映画を集中的に観たというのも、体験したことがなかったと思う。幸い本の方はディズニー・ファンや映画音楽マニアから好評で、ほっと胸をなでおろしているところだ。
一方で、『レコード芸術』や『CDジャーナル』にレビュー等を書くため、きちんと文章に定着するように聴き、アイディアを順序立てる作業を毎月行なうようになった。私にとって、これは大きなプラスとなったと思う。ディズニー本に続いては、もっと専門のアメリカ・クラシック音楽にバランスを置いた本を書きたいと考えているので、今年は毎日のリスニングを、もっと積極的にやっていきたいと思う。
では、以下に、昨年印象に残ったもの10点 (特に順位は考えていない) を思い付くまま挙げておく。このうち5つのディスクは某誌に提出したアンケートと同一だが、それぞれのディスクについてのコメントは、web-criオリジナルである。
(01) [Disk] 近藤譲《オリエント・オリエンテーション》 (コジマ録音, ALCD-67)
(02) [Disk] VA《オーケストラル・スペース 1966 [I]》 (ビクターエンタテイメント, NCS-544)
(03) [Disk] VA《Pierre Boulez, Le Domaine Musical 1956-1967》 (Accord, 476 9209)
(04) [Disk] Julius Eastman《Unjust Malaise》 (New World, 80638-2)
(05) [Disk] Ferrari《Far-West News Episode 2 & 3》 (Blue Chopsticks, BC16)
(06) [Book] 川崎弘二『日本の電子音楽』(愛育社)
(07) [Disk] 《4アメリカン・コンポーザーズ (ジョン・ケージ/ロバート・アシュリー、フィリップ・グラス/メレディス・モンク)》 (紀伊国屋, KKDS-329 / KKDS-330)
(08) [Disk] Verdi《Otello》 [La Scala Milan Orchestra and Chorus; Carlos Kleiber, conductor] (Exclusive, EX92T08/9)
(09) [Disk] Morricone《Il Buono, Il Brutto, Il Cattivo, OST》 (GDM [EMI Italy], 0156982)
(10) [Disk] Shostakovich《Lady Macbeth of Mtsensk》 [Secunde, Ventris, et al..; The Gran Theatre del Liceu; Alexander Anissimov, conductor] (EMI Classics, 5 99730 9)
(01) すみだトリフォニーで個展を聴いた時に、会場で購入したCDで、新旧の作品を楽しんだ。
(02) 中古LPを持っていて、武満の《弧》など、凄まじい演奏が入っているのは知っていたけれど、それが廉価でCDとなったのは、実にうれしい。
(03) 現代音楽でも「Historical」という世界が出てくるのだなあ、と思わせる箱ものCD。
(04) 他にもっとないのか、と言われるかもしれないが、あえて「発見」として挙げておきたいディスク。
(05) 追悼の意味も込めて。個人的には、アメリカを思い出したことを付け加えておきたい。
(06) 歴史的に価値ある一冊。この分野を語る時には、必ず言及される本となるのではないだろうか。インタビューも貴重。
(07) こういうシリーズでアメリカの作曲家が知られることはうれしい。レーザーディスクを買い損ねたので、この時を待ちわびていた。
(08) いろいろなCDが通販で入手できるようになると、上京する際には、中古CD屋に寄ることが、必然的に多くなってきた。そのことを象徴するものとして、1つ挙げておく。
(09) ディズニーをきっかけに、映画音楽も多少聴くようになった。昨年は『荒野の用心棒』のサントラがイタリアのGDMから出て話題を呼んだが (GDM 2066) 、同時期に買った、こちらの方が、やっぱり印象に残った。こんな作曲家はどうやって生まれるのか、とても興味がある。
(10) オペラのDVDについては、資料的価値から海賊盤にも手を出すようになってしまったが、これは商業的にちゃんとしたもの。他にも観たけれど、Blogに感想を書いたものとして。
以上、2006年について、簡単に振り返ってみた。来年冒頭に書くベスト2007では、もっとアメリカ音楽について、きっちり書けないものかと渇望しているところである。